レビュー

1450万部突破の大人気コミックがアニメ化に続き、待望の実写映画化!

長い黒髪と陰気な見た目のせいで「貞子」と呼ばれ、クラスメイトたちから避けられてきた黒沼爽子。

しかし、高校に入学し、明るく爽やかで男女問わず人気のある男の子・風早翔太と同じクラスになったことから、爽子の毎日は少しずつ変わっていく。

「君に届け」の原作は、椎名軽穂により現在も「別冊マーガレット」で連載されている超人気コミック。

05年に連載がスタートしてから、瞬く間に10代の女の子たちを中心に支持を集め、08年には第32回講談社漫画賞を受賞。

10年9月には単行本12巻までの累計発行部数が1450万部を超えるなど少女漫画としては異例の大ヒット作となっている。

また、09年秋には深夜時間帯に日本テレビ系にてアニメ放送も開始!
それまで「君に届け」に触れることのなかった20代、30代の男性にまで人気が波及。
今や世代、性別を問わず誰もが感動できる作品として、ブームが広がっている。

「君に届け」は、近年ティーンの間で流行している他の作品のような登場人物の死、目を覆いたくなるような事件などショッキングな出来事が何も起きないこと。

クラスの中で浮いた存在だった少女がひとりの男の子との出会いで勇気をもらい、友達をつくり、恋をしていくというごく単純なストーリーが展開していく。その物語に唯一無二の輝きを与えるのは、主人公の爽子をはじめとする魅力的なキャラクターたち。特に爽子のピュアで、マジメで、時に不器用な姿を見ていると、思わず応援したくなったり、自らの学生時代を重ねたり、心を動かされずにはいられない。

「君に届け」は、「実写化してほしい漫画作品ランキング」では常に上位に位置し、数多いファンからの期待も高いこの作品でメガホンを取るのは、『おと・な・り』(09)、『ニライカナイからの手紙』(05) の熊澤尚人監督。

そのきめ細かい演出により、原作にこめられた繊細な想いがよりわかりやすい形で映し出されていく。

根津理香とともに脚本も担当し、原作での名シーンや名セリフも盛りこみながら、誰もが共感できる2時間強のストーリーをまとめあげた。

(DVDレビューより)